齋藤孝氏が、本来の専門である教育方法について、持論を述べた一冊。
■ルースベネディクトの『菊と刀』で述べられている、日本人独特の恥の文化を引き合いにだし、「1980年代を境にして、日本では教養がないことがちっと も恥ずかしいことではない、という未曾有の時代に入った。(p44)」と指摘する。皆が"何となく"感じている空気感を明確に言語化、問 題提議している点が秀逸。
■まえがきよりニーチェの言葉の引用、「君は君の友のために、自分をどんなに美しく装っても、装いすぎるということはないのだ。なぜなら、君は友にとって、超人を目ざして飛ぶ一本の矢、憧れの熱意であるべきだから。」 『ツァラトゥストラ』手塚富雄訳、中公文庫)これこそが教育、学びの本質なのだと思う。
コメント