The ultimate rewards is the simple joy of understanding.
(最高の報いは、理解するという単純な喜びなんだ。)
Paul Krugman
[COURRIER Japon Oct. 2010 Vol. 071]
「読みやすいのに、味わい深い」「独創性が高いのに、共感出来る」「一貫性がありかつ、飽きがこない」齋藤氏の文章はこれらの相反する魅力を併せ持っていると思う。本書もその例外ではなく大変興味深かった。以下、印象に残った部分を抽出。■第一章 コミュニケーション力とは -文脈力という基本-p2. コミュニケーションとは・・・端的に言って、意味や感情をやりとりする行為である。p23. 文脈力p27. そもそも戻るべき主流などはなかったという会話をおしゃべりという。p67. 遺伝子を受け継いでいくことが至上命令p70. セックスを区別するのに、ノーマルか変態かという区別はあまり有効ではない。■第二章 コミュニケーションの基盤 -響く身体、温かい身体-p86. 野口三千三氏の野口体操p98. 車座p126. 雰囲気の感知力と積極的受動性p.130 「生産的沈黙」と「非生産的沈黙」p.133 対話における沈黙の価値について、マックス・ピカートは「沈黙は言葉なくしても存在し得る。しかし、沈黙なくして言葉は存在し得ない。もしも言葉に沈黙の背景がなければ、言葉は深さを失ってしまうであろう」と書いている。■第三章 コミュニケーションの技法 -沿いつつずらす-p153. 日本ではアイディアを出した人が利益を得ることが少ない。p171. 常にどんなコメントをするかを考えながら吸収する。コメントが義務と考えることで、こうした<積極的受動性>の構えが培われるのだ。p.175 エッカーマンの『ゲーテとの対話』p194. 過去・未来を見通す■あとがきp203. 対話ほどスリリングなものはない
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「初期臨床研修こそイノベーションの宝庫である。」という仮説。
inspired by ↓
齋藤孝氏が、本来の専門である教育方法について、持論を述べた一冊。 ■ルースベネディクトの『菊と刀』で述べられている、日本人独特の恥の文化を引き合いにだし、「1980年代を境にして、日本では教養がないことがちっと も恥ずかしいことではない、という未曾有の時代に入った。(p44)」と指摘する。皆が"何となく"感じている空気感を明確に言語化、問 題提議している点が秀逸。 ■まえがきよりニーチェの言葉の引用、「君は君の友のために、自分をどんなに美しく装っても、装いすぎるということはないのだ。なぜなら、君は友にとって、超人を目ざして飛ぶ一本の矢、憧れの熱意であるべきだから。」 『ツァラトゥストラ』手塚富雄訳、中公文庫)これこそが教育、学びの本質なのだと思う。
酒井穣氏『これからの思考の教科書』を読了。
知性に裏打ちされた酒井氏の説得力は勿論であったが、特に印象に残ったのは氏の引用している老子の言葉。
「生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と身体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。何をやるにしろ、その道で卓越していることを目指す。仕事か遊びかは周りが決めてくれる。当人にとっては、つねに仕事であり遊びでもあるのだ。」(p140)
紀元前5世紀の時点で、人生の真理をここまで明解に表現されていたという衝撃。。。老子様に感服仕りました。まさに人生の理想形。本書からは酒井氏の"達人"ぶりも垣間見えてくる。
「日本はどうしたら良くなりますかね~?」とS氏が呟いた。殴られたような衝撃であった。今まで真剣に考えてきた事がなかったからだ。「土俵にすら上がっていなかった」ことを自覚した。「日本の問題は何か?」「どうすれば日本を良くできるのか?」と真剣に考えてみてもよいのではないか、それが国民としての務めですらあるのかもしれない。この気付きを親しい仲間とシェアしたい!!
「医師はタフな仕事である。」と先輩のKE医師がつぶやいた。
「医師は患者さんと向き合う時にしばしば医療の限界という壁に突き当たる。しかし、患者さんは医療の限界を担当医師の限界であると感じる時がある。」という。
「これは担当医師としてはいたたまれない気持ちになる。」と、
「だからこそ、我々は医療の限界という壁を越えるべく日々の臨床研究、基礎研究に励む必要がある。」
これこそが臨床医が研究に励む健全なmotivationであると再認識した。
KE医師の様な尊敬すべき医師と共に働けることに感謝。
意図せずハイエクの『隷属への道』→福沢諭吉『学問のすすめ』と読書を進めていくとその相性の良さに驚いた。それはまるで「あんぱん→牛乳」のよう。。。
最近、知的好奇心旺盛なお友だちのお陰で、政治、経済について考えさせられる機会が増えてきました。まずは思索の土台、頭の中に地図を描こうというコンセプトで政治的、経済的スペクトラムについてお勉強。おもしろいチャート達に出会うことが出来ました。知的好奇心旺盛なお友だちに感謝☆以下にその成果の一部を示します。それぞれ共通性を持ちながらも微妙に表現が異なっているところが面白いと思いますし、相互比較することで理解は深まると思います。皆さんのご理解に少しでも役立てば幸いです。
*1)ノーラン・チャートとは、アメリカのリバタリアン であるデービッド・ノーランによって広められた政治思想の概念図である。(Wikipedia「ノーラン・チャート」より)
*2)「政治的」ということばは「Personal」「精神的」という言葉に変換されているようです。
*3)Fig5右上の「自由主義」はいわゆる「新自由主義」のことだと思います。
■Fig.1■ Wikipedia「ノーラン・チャート」より↓
■Fig.2■ Wikipedia「政治的スペクトル」より↓
■Fig.3■ モジログ「ノーランチャート」より↓
■Fig.4■ 池田信夫blog「日本の政治には対立軸がない」より↓
■Fig.5■ モジログ「右翼(国家主義)と左翼(社会主義)は反対概念ではなく、独立概念である」より↓
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